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投稿日2025.11.21

最終更新日2025.11.21

2026年度末の小切手廃止でどうなる?クレジットカードへの切り替えメリットも!

日本国内で長年利用されてきた「小切手」が、2026年度末(2027年3月31日)をもって完全に廃止されます。現状でも郵送料などは小切手で支払いができますが、2025年5月にはゆうちょ銀行の小切手払における「新規申込受付」が終了しており、今後は徐々に利用できる場面が減り、支払手段の転換が進んでいきます。

この記事では、小切手廃止の背景や影響、そして代替手段としてクレジットカードが注目される理由について詳しく解説します。

小切手の廃止はいつから?

小切手廃止に関するスケジュール

小切手は、2026年度末(2027年3月末)をもって紙媒体での運用が終了する予定です。一般社団法人全国銀行協会は、2026年度末までに全国の手形交換所における紙の手形・小切手の交換枚数をゼロにすることを目標としており、これに合わせて各金融機関でも小切手の取り扱い終了に向けたスケジュールが進められています。
 

紙媒体が廃止されても「電子記録債権(でんさい)」は継続

ここで押さえておきたいポイントは、廃止されるのはあくまでも紙の小切手・紙の手形だということです。紙に代わる仕組みとして、すでに広がりつつあるのが電子記録債権(通称:でんさい)です。

電子記録債権は、手形や小切手と同じように「将来の特定日を支払期日とする債権」を扱いつつ、それを紙ではなく電子的な記録として管理する仕組みです。印紙税や郵送コストが不要で、紛失・盗難のリスクもほとんどありません。

紙媒体の小切手は廃止されますが、“後払い”の取引そのものが完全になくなるわけではなく、電子化された手段へ置き換わっていくとイメージしておくとよいでしょう。

 

小切手が廃止される理由は?

小切手や手形は、日本の企業間取引において長年利用されてきた決済手段です。しかし、政府や金融機関は、以下のような理由から紙の小切手を段階的に廃止し、電子決済への移行を進めています。

  • 電子決済の普及により利用が激減
    ネットバンキングや電子決済サービスが普及し、小切手を使わなくてもスムーズに送金できるようになりました。その結果、小切手の発行枚数は大きく減少し、紙の小切手を維持する必要性が低くなっています。
     
  • 偽造・紛失など紙ならではのセキュリティリスク
    紙の小切手は、偽造や改ざん、郵送中の紛失・盗難などのリスクが避けられません。受け取り後も保管や管理が必要で、トラブルが起きた際は対応に時間と手間がかかる点も課題です。
     
  • 金融機関の事務コストが大きい
    小切手は発行から処理・決済までの工程がアナログで、人手と時間がかかります。ペーパーレス化が進む中で、このアナログ事務を続けることが金融機関にとって負担となっていました。
     
  • 国全体のDX推進の流れ
    政府はキャッシュレス化や業務のデジタル化を推進しており、小切手廃止はその流れの一環です。紙の決済手段から電子決済へ移行することで、企業間取引の効率化と生産性向上を目指しています。

 

代替手段としてクレジットカードがおすすめな理由

1|支払いを後ろ倒しにでき、キャッシュフローが安定

クレジットカードは「後払い」の仕組みであり、実際の引き落としはカード会社の締め日・支払日に行われます。これにより、実際の資金流出を最大1〜2か月後ろ倒しにできるため、資金繰りに余裕を持たせることができます。
小切手で期日を調整していた企業にとっては、クレジットカードによる後払いが、キャッシュフローを安定させる有力な選択肢となります。
 

2|利用明細が自動化され、経理が効率化

クレジットカードの利用明細は、オンライン上で日付・金額・利用先ごとに一覧化されます。会計ソフトや経費精算システムと連携すれば、データ取込〜仕訳作成までを自動化することができ、紙の小切手台帳や手入力による記帳作業は不要になります。結果として、経理業務のスピードと正確性が大きく向上します。
 

3|ポイント還元で実質的なコスト削減

多くの法人向けクレジットカードでは、利用金額に応じてポイントやキャッシュバックが付与されます。
振込手数料や印紙代、郵送費など、小切手に関連するコストと比較すると、ポイント還元分を加味した実質コストでクレジットカードが有利になるケースも少なくありません。継続的な支払いをカードに集約することで、コスト削減効果をより大きくすることができます。
 

4|セキュリティ面で安心

クレジットカードには、不正利用検知システムや、利用通知メール・アプリ通知、限度額設定などのセキュリティ機能が備わっています。万が一カード情報が不正利用された場合でも、所定の条件を満たせば補償を受けられるケースが一般的です。
紙の小切手と比べて、万一のトラブル発生時に取れる手段が多いことも、クレジットカードが選ばれる理由のひとつです。

 

クレジットカード以外の代替手段も比較

銀行振込

銀行振込(口座振替を含む)は、小切手の代替として最も一般的な手段です。すでに多くの企業で利用されており、特別な仕組みを導入しなくてもすぐに使える点がメリットです。

請求書カード払い

請求書カード払いは、「銀行振込しか受け付けていない取引先」に対しても、自社はクレジットカードで支払えるサービスです。支払先は通常通り銀行振込で入金を受け、自社はカードの後払いを利用できるため、資金繰りを改善しつつ、取引先の運用も変えなくてよいというメリットがあります。

▶︎請求書がクレカで請求書カード払いとは?メリット・デメリットも紹介

 

オンライン決済サービス

オンライン決済サービス(決済代行、QRコード決済、電子マネーなど)は、特にEC事業者や小売・サービス業など、BtoC寄りのビジネスで力を発揮します。
 

まとめ|小切手廃止は“支払いのDX化”の大チャンス

2026年度末の小切手廃止は、多くの企業にとって「これまで当たり前だった支払いのやり方を見直すタイミング」です。キャッシュフローの改善、経理・財務業務の効率化に取り組める好機ともいえます。

銀行振込、電子記録債権(でんさい)、クレジットカード、請求書カード払いなど、それぞれの特徴を踏まえつつ、自社に合った決済手段を組み合わて利用しましょう。早めに現状を棚卸しし、取引先との調整やシステム対応を進めることで、小切手廃止を「負担」ではなく、「支払いのDX化を進めるチャンス」として活かすことができます。